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美容整形 |
冬休みが終わって、高校生最後の三学期始業式の日のことです。
就職組はほとんどの人が行き先が決まっていてどこか華やか、一方私たち進学組は最後の追い込みで冴えない顔での登校でした。
そこへ少し遅れて、仲の良いグループのリーダー格の富田さんが入ってきました。
お喋りがぴたりと止まりました。
優しい細い目をした富田さんの目は、なんと二重まぶたになりまんまるの目になっていたのです。しかもよく見ると、未だ縫い目の赤い線がくっきり残っています。
無音になった教室は、少しずつざわめきが戻り、富田さんと私たちはあたかも何もなかったように話し出しました。でも、何か変な雰囲気。どうしても真正面から富田さんの顔を見ることが出来ません。誰もそのことに触れられません。いつもは女子をからかったり馬鹿にしたりする男子生徒も一言もそれに触れません。
一時限目が保健体育でしたが、この女性の先生は普段から勢いのいい人で、教室には入ってくるなり「富田!目どうしたの!」と大声で言ったのです。
私たちは下を向いてしーんと静まりかえりました。その固まり具合から先生も事情を察したのか、それ以上の追求はありませんでした。
今はプチ整形なんて言葉まであって、びっくりすることではありませんが、当時はそれこそ大変なことでした。
だからこそ、私たちは「あ、二重にしたんだ!」と気軽に声を掛けられませんでした。また、富田さんが、「就職先には二重にして行きたかったので、この冬休みにしちゃったのよ」と軽く言ってくれれば、わっと取り囲んで「痛くなかった?」「いくらだったか聞いていい?」なんて話しかけて、わだかまりが次第に溶けていったに違いありません。でも私たちは、お互いに口にしないまま終わってしまいました。
たまに同期会で会っても、富田さんのぱっちりした目を見ると、気持ちがざわめいて声が掛けづらいのです。近づけない私自身に焦れて、いつも後悔が残ります。
就職組はほとんどの人が行き先が決まっていてどこか華やか、一方私たち進学組は最後の追い込みで冴えない顔での登校でした。
そこへ少し遅れて、仲の良いグループのリーダー格の富田さんが入ってきました。
お喋りがぴたりと止まりました。
優しい細い目をした富田さんの目は、なんと二重まぶたになりまんまるの目になっていたのです。しかもよく見ると、未だ縫い目の赤い線がくっきり残っています。
無音になった教室は、少しずつざわめきが戻り、富田さんと私たちはあたかも何もなかったように話し出しました。でも、何か変な雰囲気。どうしても真正面から富田さんの顔を見ることが出来ません。誰もそのことに触れられません。いつもは女子をからかったり馬鹿にしたりする男子生徒も一言もそれに触れません。
一時限目が保健体育でしたが、この女性の先生は普段から勢いのいい人で、教室には入ってくるなり「富田!目どうしたの!」と大声で言ったのです。
私たちは下を向いてしーんと静まりかえりました。その固まり具合から先生も事情を察したのか、それ以上の追求はありませんでした。
今はプチ整形なんて言葉まであって、びっくりすることではありませんが、当時はそれこそ大変なことでした。
だからこそ、私たちは「あ、二重にしたんだ!」と気軽に声を掛けられませんでした。また、富田さんが、「就職先には二重にして行きたかったので、この冬休みにしちゃったのよ」と軽く言ってくれれば、わっと取り囲んで「痛くなかった?」「いくらだったか聞いていい?」なんて話しかけて、わだかまりが次第に溶けていったに違いありません。でも私たちは、お互いに口にしないまま終わってしまいました。
たまに同期会で会っても、富田さんのぱっちりした目を見ると、気持ちがざわめいて声が掛けづらいのです。近づけない私自身に焦れて、いつも後悔が残ります。
