私の周りの「ユニーク」「変」「おかしい」人たちについての観察日記です。
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07/11
サクランボ
毎年6月の終わりに山形から美味しいサクランボが送られてきます。トシさんからです。
サクランボが送られてくるようになったのは、トシさんの一人息子が山形の大きな農園の娘と結婚してからのことです。農業とは縁の薄かったトシさん夫婦が、その結婚を境に、サクランボの収穫時期になると一家総出でお嫁さんの実家に手伝いに行くようになったのです。それで、トシさんの親しい人たちが、厳選した美味しいサクランボをこの時期送って貰えるようになったのです。

トシさんは、中学卒業してすぐに家に行儀見習いに来た人でした。当時中学1年だった私にとっては、仲のいい友人が出来たような気持ちでした。どちらかというと、山形から出てきたばかりのトシさんの面倒を見ていたと思っていましたが、後になってよく考えてみると、面倒を見て貰っていたのは私の方だったことがよく判ります。同じ分量のお菓子が入った袋のお菓子を先に食べてしまって、トシさんから分けて貰ってりもしました。学校から帰るとすぐのトシさんを探します。風呂を焚きながらお喋りをしたり、私の作った話をきいてもらったりした当時のことは、今も懐かしい大切な思い出です。
その後トシさんは、親の希望で紡績工場に入りました。二人とも寂しくて、文通を通していろいろのお喋りをしていました。
中学の修学旅行では、トシさんのいる名古屋一宮の駅に電車が5分停車したので、駅で待っていてくれたトシさんと再会出来たときは本当に嬉しかった。その後もずっと文通のやり取りをしてきました。トシさんは私からの手紙をみんな持っていると言います。それを聞くとなんだか気恥ずかしいような気持ちになります。ずっと文通は続き、その後時々は会うチャンスもありました。

そんなわけで、送られてくるサクランボの美味しさは、トシさんとの子供時代の思い出やその後の私たちの思い出の味でもあるのです。

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