私の周りの「ユニーク」「変」「おかしい」人たちについての観察日記です。
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06/20
ゆりちゃんの失ったもの
友人の一人娘、ゆりちゃんの体験したことです。
友人は私に会う度に、ゆりちゃんの自慢をしてきました。可愛く、成績もよく、親孝行で、自慢するのが当然のような子です。
この10年の話は、素晴らしい人と付き合っていて、何れ結婚をするので、孫を見るのが楽しみだという話でした。私は子供を作るつもりならば、どうしてなかなか結婚しないのか不思議でした。もう付き合いだして10年になるし、ゆりちゃんは30代も後半になっているのです。その素晴らしい相手という男性は、家柄がとても良く、経済力にも恵まれ、代々の豪邸に住んでいるとのことです。
いままで結婚できなかったのは、彼の母親が、ゆりちゃんとの家柄が釣り合わないと反対をしていたからだそうです。何年かしてその母親が病死した時は、私は不謹慎ながら友人と二人で「よかったわねえ」とゆりちゃんのために喜びました。
喪が明けたら結婚できるだろうと楽しみにしていると、ちっともそうなりません。相続問題がこじれていて、それが決着しないと身動きが取れないというのです。でも解決すればすぐに結婚したいので、東京ミッドタウンの中にアパートをふたつ買って、この二つの間を壊してゆりちゃんのお母さんとも同居出来るように工事に頼んだとのこと。一緒に住めると判って、友人は泣いて喜びました。そして彼は友人の前で、「この鍵はまだ使えないのだけれど、契約時に二つ貰ったのでその一つを持っててね」とゆりちゃんに渡しました。

ところが工事が一向に進みません。親子のしびれが切れそうになった頃、相続のストレスで胃がおかしいと彼は入院しました。それも、心配させたくないからと入院は内緒にして、退院するその日に電話を掛けてきました。仰天した彼女が病院の入り口で待つ彼を車で迎えに行って連れ帰りました。
ほっとしたのもつかの間、彼は胃ガンだったことが判明しました。医者に生きていることが不思議なぐらい、日本では手術が出来ないと言われたとのことで、動転した彼女は看病したいので、同居したいと迫りました。そうしている中に、彼と連絡が取れなくなってしまいました。連絡が取れなくなると、ゆりちゃんは、彼の状態が悪くて動けないのではないか、自殺を考えているのではないかと心配で半狂乱です。私は「そんなに心配だったら家に行ってみれば」と言いました。
そこで、二人は目白にある彼の家に出掛けていきました。デートをした後、ゆりちゃんは良く彼を車でそこに送っていたのです。でも、母親の反対で家に上がることは一度もなかったと言います。
二人が行って見ると、表札が彼の名ではないのです。驚いた二人はベルを鳴らして用件を言うと、怪訝な顔の中年の女性が出てきて、自分たちは戦前から住んでいること、ここにはそのような名の住人はいない、と言ったのです。
・・この続きは来週・・
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